企業概要
ハビックス(3895)は不織布(ふしょくふ)、衛生向け原紙の製造販売を主力事業としている中間素材メーカー。1950年設立。2005年にJASDAQ上場。
事業内容
中間期のセグメント別概況
・不織布関連事業
今期の3Q決算時点での売上は約58.4億円、セグメント利益は10.8億円。
クッキングペーパー、衛生材料(紙おむつ、ペットシーツ等)向けが主力。
業務用クッキングペーパーの市場シェアは約50%(会社のIR情報より)。
・紙(衛生用紙)関連事業
今期の3Q決算時点での売上は39.9億円、セグメント利益は5.7億円。
衛生材料向けが主力。
ベビー・大人用紙おむつ原紙の市場シェアは約30%(会社のIR情報より)。
業績ハイライト
2017年に営業利益・一株利益が急激に伸びた理由としては、主力としているクッキングペーパー・衛生材料向け製品の需要増、クッキングペーパーの価格改定、為替の円高により原燃料価格が軟調だったことなどが挙げられます。
今期の3Q業績については、売上は伸びていますが、営業利益・一株利益は共に前期比マイナスでした。その主な理由として、為替は会社の想定レート(1ドル116円)より円高で推移していましたが、前期に比べ原燃料価格が大幅に上昇したことなどが挙げられます。
強み・ポジティブ要因
・ニッチな分野で高いシェア 。
・割安なバリュエーション(予想PER9.3倍、PBR1.05倍)。
・シェール革命による原油価格の低位安定。
・海外市場(越境EC、インバウンド等)も含め、紙おむつ市場の大きな成長余地。また、クッキングペーパーの主要取引先である外食産業も2011年をボトムに拡大基調。
・今期の売上の伸びがやや弱い理由としては、低採算品(おしぼり等)の生産を減らしたことなどが影響。注力している紙おむつ向けや、クッキングペーパーの売上は堅調。
・当社は生活必需品セクターへの売上比率が高く、また不況時にはリスクオフの円高(業績のプラス要因)、原燃料安になる可能性が高いと考えられるため、不況耐性は比較的高そう。
弱み・ネガティブ要因
・為替、原油価格、パルプ価格等の動向により業績が上下に大きく振れるため、安定した利益成長は難しそう。
・不安定な相場展開が続く中、これまで強固な下値支持線となってきたラインを割り込んでしまった場合は、短・中期的に株価がオーバーシュートする可能性も。
採点
成長性 75点
安定した利益成長は難しそうだが、国内の大人用紙おむつ、海外の子供・大人用紙おむつ需要の拡大により、中長期的には右肩上がりの業績推移になると予想。
割安性 75点
過去の業績推移を見る限り、PER指標はあまり当てにはならない。ただシェール革命の恩恵により原油価格の低位安定が続けば、これまでよりは安定した利益が期待できるかも。
財務健全性 75点
当社の時価総額86億円に対して、利益剰余金約60億円。有利子負債26.5億円。PBR1.05倍。自己資本比率54.2%。D/Eレシオ0.37倍。(いずれも四季報最新号より)。
前期の期末時点での流動比率は204%。
競争優位性 75点?
業務用クッキングペーパーの市場シェアが約50%、ベビー・大人用紙おむつ原紙の市場シェアが約30%等、主力事業の市場シェアは総じて高い。
ただ、紙おむつの分野で、完成品メーカーからの値下げ圧力に対してNOと言えるような強み(オンリーワン技術)を持っているかは、調べてみてもわかりませんでした。
【注意事項】 銘柄分析に関する記述の正確性について保障はできませんのでご了承ください。また銘柄への採点は筆者の主観に基づいて行っております。投資をする際は、必ずご自身の判断と責任でお願いします。
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