8月中頃からの世界的な株安の連鎖により、市場ではこれまで長期間続いてきた上昇トレンドが転換するのではないかという懸念が広がっています。
またテクニカル分析で見ても、日本のTOPIX(下図1)、アメリカのS&P500指数(下図2)共にこれまで強力な下値支持となっていたラインを明確に割り込んだことでトレンド転換の警告シグナルが出ています。
ではこれまで続いてきた長期上昇トレンドが終わった場合、今後の株価の動きはどうなるのか、
それを今回は4つのパターンに分けて、それぞれの対処法について私なりの考えを書いてみたいと思います。
あらかじめ断っておきますが、今後株価が上昇するか下落するかを予想する記事ではありませんので悪しからず。
パターン① 一度は長期的な下値支持線を割るも、すぐに力強い長期上昇トレンドに戻る
一つ目のパターンとして考えられるのは、これまでの下値支持線を一度は明確に割り込むものの、すぐに鋭角的な長期上昇トレンドに戻る展開です。
私がイメージしているのは、2011年にギリシャショックで大きく調整したときのS&P500チャート(下図)です。
このパターンになる条件としては、まずは今回の世界的な株価急落の原因と思われる中国経済の問題が結局世界経済にとっては大した問題では無かったと確認されることが前提となります。
その上で、今後も世界経済(特にアメリカ経済)が力強く成長を続けることや、世界的な低金利による株バブルの発生等があれば鋭角的な上昇相場が今後も長期間維持できると考えられます。
パターン①の対処法
このパターンになった場合の私の考えている対処法としては、
持ち株の上昇により株式の割合が増えた分だけポートフォリオのリバランスにより少しずつ保有株数を減らすつもりでいます。
ただし全金融資産における株式の比率は、明らかなバブルとならない限りは常に30~50%ぐらいは維持したいと考えています。
また、より割安と思える銘柄への入れ替えも常に行うつもりです。
パターン② しばらく乱高下した後に横這い、または緩やかな上昇トレンドに移行する。
私のイメージとしては、2013年春の株価急落からの日経平均株価の推移(下図)です。
これは所謂、市場が次の大きな材料を待っている状態ですね。
また株価が業績の先取りをし過ぎた場合には、きちんと業績が株価に追いつくのを待っている状態とも考えられます。
このパターンになる条件としては、中国経済の問題が結局大したこと無かったと確認され、今後も世界経済(特にアメリカ経済)が順調に推移すること等が挙げられます。
パターン②の対処法
このパターンになった場合の私の考えている対処法としては、時間の経過によりある程度トレンドが定まったら、出来るだけ全体相場が軟調なところで株式のポジションを少しずつ増やしたいと考えています。
その理由としては、この後で紹介するパターン④(鋭角的な上昇相場の後の大暴落)をとりあえずは回避したからです。
パターン③ しばらく乱高下した後、緩やかな下降トレンドへ移行する。
私がイメージしているのは、2000年からのNYダウの推移(下図)です。
このパターンになる条件として私が考えているのは、世界経済(または日本経済)が循環的な景気後退に陥った場合などです。
パターン③の対処法
私の考えている対処法としては、全体相場が大きく下落したところで株式のポジションを増やし、大きくリバウンドしたところでは割高と思える株を少し減らすか、日経ベアETFを買うなどして対処したいと考えています。
パターン④ これまでの鋭角的な上昇の反動で米国の株価が暴落。連れて日本株も大暴落するパターン。
私がイメージしているのは、2000年ITバブル崩壊と2008年世界金融危機の時のS&P500チャート(下図)です。
このパターンになる条件としては、
バブルの崩壊、
世界経済を揺るがすような深刻な悪材料の顕在化、
またはパニック的な売りにより株価がオーバーシュートした場合などが考えられます。
パターン④の対処法
このパターンになった場合は、ひたすら買い下がっていくことで対処したいと考えています。
また、もし下落率が40~50%まで達した場合には、リーマンショックのときのように現金比率が一桁になるまで株を買い捲るつもりです。
総括
今回、今後の株価の動きを4つのパターンに分けて、私の考えている対処法を書いてきましたが、それぞれのパターンに共通する対処法としては、やはり全体相場が大きく下落したところを買うということです。
長期投資家にとっては教科書通りの行動になりますが、今回紹介したどのパターンになったとしても、大きく下落したところを買うのが長期的には1番リスクが低く、大きなリターンを期待できるのがお分かり頂けると思います。
ただし、一点だけ注意しておきたいのは、最初の暴落で全資金を投入するという行為でしょうか。
これをやってしまうと更なる暴落が来たときに買いたくても買えないという事態も考えられるので、常に大きな暴落も想定して買い付け余力を残しておくことを忘れないよう気を付けたいところです(ただし、ドルコスト平均法で器械的に買い増しを続けている方などは常にフルポジションでも問題ないと思います)。
最後に、「全体相場が暴落したけどどんな銘柄を買えばいいのか分からない」
という投資初心者の方に個別株投資のアドバイスを送るとするなら、
・業績が好調
・PER等のファンダメンタルズ指標が過去の水準と比べ相対的に割安
・チャートが長期上昇トレンド
・参入障壁が高く、高シェア・高収益な事業を展開している。
このような銘柄が私のこれまでの経験では最も良いパフォーマンスとなる可能性が高かったです。
一言で表現するなら、全体相場には逆張りで、個別銘柄には順張りで、といったところでしょうか。
株式投資なんかに大切な時間を割きたくないという方は、TOPIXやS&P500のETFの買いでも十分対応可能だと思います(かえってその方がパフォーマンスが良くなるかもしれませんね)。
それではまた!
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