理由1 世界の株式市場で1番影響力の大きいアメリカのダウ平均とS&P500の5年チャートが下値支持線を割り込んだこと
下図のチャートはダウ平均とS&P500の5年チャートですが、今回の下落ではっきりと下値支持線を割り込んでいるのが確認できます。
今回の世界的な株価急落の原因について多くの専門家は中国だと分析しています。
しかし私の考えとしては、引き金となったのは確かに中国だったかもしれませんが、これほどの暴落となった1番の原因はNYダウとS&P500指数が下値支持線(移動平均線)を割ったことだと考えています。
なぜなら、NYダウ・S&P500指数は世界中の投資家が最も注目しているチャートでありトレンドラインだからです。
大勢の投資家が私と同じように下値支持線を割ったところでヘッジ売りを掛けておきたいと考えて行動した結果、これほどのパニック的な暴落になってしまったと考えられます。
ちなみに、ダウ平均とS&P500のチャートをもっと長期のものにすると下図のようになります。
このチャートのローソク足ではまだ描かれていませんが、現在のところ一度下値支持線を割り込んだものの、下値支持線の上まで何とか持ち直した形となっています。
ただし、今回の急落で痛手を負った投資家も多く、現時点ではボラティリティの非常に高い相場展開になっていることから、戻り売りで二番底を探りに行く展開も十分にありえます。
そして、もし株価がもう一段下落ちたところで長期チャートの下値支持線を明確に割り込んでしまったら、過去のパターンから見ても今度こそ本当のトレンド転換となる可能性が高いのではないかと考えています。
また、下図のように約6年半もの長きにわたって鋭角的な上昇相場が続いてきたことも、過去のパターンから見て「そろそろかな」と思う理由のひとつです。
理由2 個人的にアメリカ株のファンダメンタルズ指標がやや割高に感じる
現在のアメリカのPER約19倍です。
この数字は2000年代の平均的な水準(約20~25倍)やITバブルの絶頂期(約45倍)に比べるとまだまだ上値余地があるようにも思えますが、過去100年の平均的な水準から見ればやや割高です。
また、過去10年の実績利益で計るシラーPERや、株式の時価総額をGDPで割ったバフェット指標などで見ても現在の株価水準はやや割高に感じます。
理由3 日本株は下落相場に非常に弱い
↑は専門家の意見です。
色々と頷けるところもありますが、私としては世界的な株価の下落局面で日本株の下落率が大きくなる一番の理由はやはり円高ではないかと考えています。
日本円は世界から比較的安全な避難先通貨として認識されており、世界的な株価の急落局面では必ずといって良いほど急激な円高になります。
そして、東証の売買シェアで5割以上を占めている外国人投資家は、世界の株価が急落して急激な円高になったときには自国通貨基準では円高で為替差益が出ている分、保有している日本株の方を大きく売ってきます。
結果として、下落局面で日本株に投資している外国人投資家は比較的軽症で済み、円を基準として日本株に投資している日本人からすれば先進国の中で日本株だけが理不尽なほどに下げていると感じるわけです。
最後に少し追記
今回の記事はあくまでも日本株の全体相場についての個人的な感想です。
前にも書いたように、現時点で私はベア(弱気)派ですが、今後も上昇相場が継続したとしてもある程度の恩恵が受けられるポジションは維持していくつもりです。
また、個別株の発掘についても以前と変わりなく続けますし、割安だとおもった株は相場環境に関係なく買うつもりでいます。
もう1つ追記
次回の記事ではNYダウ・S&P500のチャートが下値支持線を割り込んでトレンド転換した場合、どう対処すべきかについて私なりの考えを書いてみたいとおもいます。
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