マイナーな割安株発掘ブログ

あまり知られていないマイナーな割安株をピックアップして分析してみるブログです。

あいHDを分析してみました

 

会社概要

 

あいホールディングス(3076)は、セキュリティ機器事業、情報機器事業、カード機器事業、建設設計事業など様々な事業を手がけている会社です。今期からラベルプリンタ事業にも新規参入しました。

 当社の現在の株価は2012円で1単元買うのに必要な金額は約20万円です。

 

 

 事業内容

 

 

 ・セキュリティ機器事業  

 

前期末のグループにおける売上構成比は24.7%。

当該事業ではリース会社と共同で防犯カメラ等のセキュリティシステムの提案と運営を行っており、既設マンション向けのセキュリティシステム販売ではトップシェア(約10%)となっています。

契約期間は大体5~6年ぐらいで、契約の終了後に契約を解除する顧客は10%以下という低い数字となっています。また契約の終了後にはリプレースする顧客が多く、ストック的な収入も見込めます。

なお、当社のセキュリティシステム事業の防犯カメラは、この分野では世界最先端を走っている韓国製を主に使用しています。

 

 ・情報機器事業        

 

前期末のグループにおける売上構成比は28.2%。

カッティング機器を筆頭に、スキャナー等のコンピューター周辺機器を販売しています。

 この事業を手がけているグラフテック社は、「カッティングプロッタ」で世界のトップシェアを誇っています。

またグラフテック社は、自社製品の生産のほとんどを他社に委託しているファブレスメーカーであることも特徴です。

グループで海外売上高が最も大きいのがこのセグメントになります。

 

  ・カード機器事業

 

前期末のグループにおける売上構成比は9.1%。

この事業の主要製品はカード発行機になります。特に病院やクリニックの診察券発行機では圧倒的なシェアを誇っています。

2015年の3月には、金融機関向けのカード発行機で世界第2位のシェアを持つカナダのNBS社を完全子会社化しました。

 

  ・建設設計事業

 

前期末のグループにおける売上構成比は13.1%。

2009年に塩見ホールディングスから譲り受けた塩見設計が当該事業のベースになっており、耐震構造設計を強みとしています。

 

 ・保守サービス事業

 

前期末のグループにおける売上構成比は4.6%。

 セキュリティ機器、カード機器等の保守サービスを手がけています。

 

 ・計測機器及び環境試験装置事業

 

前期末のグループにおける売上構成比は6.2%。

「データロガー」が、このセグメントの主力製品です。

 

 ・リース及び割賦事業

 

前期末のグループにおける売上構成比は12%。

 

 ・その他事業

 

前期末のグループにおける売上構成比は2.1%。

 

 

 

業績ハイライト

 

 

                     売上高    営業利益    経常利益 当期純利益 一株益  一株配当

 2011年6月期  26006     2980           3462         2254             41.2        16
 2012年6月期  28156     3542           3970         2406             44.7      16
 2013年6月期  32389     4974           5080         2974             62.8        20
 2014年6月期  36976     6399           6553         4043             85.4        24
 2015年6月期予 42000       7400         8400         5600            118.2            30

 

 

 

成長性     80点

 

当社の業績は、2010年~2014年までの5年間で、売上が約42%増、営業利益は約280%増と急成長している。

 また今期から新規参入したラベルプリンタ事業や、完全子会社化したNBS社なども今後の成長エンジンとして期待されている。

 懸念材料を挙げるならば、今期の第3四半期決算の時点での営業利益が前期比2.5%増と、当社のこれまでの成長率と比べるとかなり見劣りする点だろう。最もこれについては、前期に消費増税前の駆け込み需要があったことや、アメリカでの湾岸ストなど、一過性のマイナス材料が含まれていることも留意しておきたい。

 

 

 割安性     65点

 

 今期の業績予想から算出した予想PERは約17倍。ただし、この数字には日本電計株取得による負ののれん発生益9億3千万円が含まれている為、負ののれん発生益を除外した予想PERでは約20倍となる。この数字は当社のこれまでの平均的なPERと比較すればやや割安な水準だが、今期の第3四半期までの業績進捗率を考えれば会社の利益予想には届かない可能性が高いと予想する。

ちなみに、来期の四季報の業績予想でPERを計算した場合は約16.7倍で、これまでの実績PERと比較するとかなり割安な水準となる。

予想配当利回りに関しては約1.5%とあまり高い数字ではないが、これまで毎年のように増配を行っている。

 

 

 財務健全性  75点

 

利益剰余金約204億円に対して有利子負債は0、自己資本比率も約69%と財務は健全。

流動比率で見ても、今期の第3四半期の時点で311%という素晴らしい数字。

 

 

競争優位性  90点

 

 前期の期末決算時点での売上高営業利益率は約17.3%とかなり良い数字。特にセキュリティ機器事業は、売上高営業利益率約30%という非常に高収益な体質である。

 当社は利益重視の経営が徹底されており、比較的参入障壁の高いニッチ市場において高シェア・高収益の事業を展開していることから、今後も高い競争力を維持出来ると予想。

 

 

 考えられるリスクファクター

 

・当社の稼ぎ頭でもあるセキュリティ 機器事業においては、パナソニック三菱電機、日立といった日本でもトップレベルの技術力とネームバリューを持つ会社と競合していることには注意が必要かもしれない。

・当社の海外売上高比率は前期の期末時点で約24%と年々伸びており、為替が急激に円高に振れれば利益を押し下げる要因となりえる。

・当社のこれまでの急成長には会長の佐々木秀吉氏の手腕が大きく影響している為、もし佐々木氏が何らかの理由で経営から身を引くことがあれば、会社に大きな影響があると考えられる。

・当社の株価はここ4~5年の間に10倍近く上昇しており、また多くの投資家が当社を成長企業として見ていることから、もし投資家を失望させる決算が発表されれば株価が急落するリスクが比較的高いと思われる。

 

 

 参考資料

 

この記事を作成するに当たりまして、シェアードリサーチ社とフィスコ社のレポートを参考にさせていただきました。

あいHDをより深く知りたいという方は、2社の作成したレポートに目を通しておくことをお勧めします。

 

 

【注意事項】 銘柄分析に関する記述の正確性について保障はできませんのでご了承ください。また銘柄への採点は筆者の主観に基づいて行っております。投資する際はくれぐれもご自身の判断と責任でお願いします。

 

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